論理的思考が苦手で避け続けて来た人が、なんとかして論理的思考を身につける話【その2】【実践編】

2019年5月22日

この記事は2回に渡る【論理的思考が苦手で避け続けて来た人が、なんとかして論理的思考を身につけるシリーズ】の2回目です。

前記事では、論理的思考とは何かを理解するうえで、その意味と必要性について書きました。

そちらを読んでいない場合は先に読んでもらいたいです。
そちらを読んでもらうと、論理的思考は僕らが人間社会で生きて行くうえで重要な考え方であることを理解してもらえるかと思います。

念のため論理的思考とは何かを簡単に復習しておきますが、
論理的思考とは『物事を筋道立てて考える思考方法』でした。

今回はいよいよ論理的思考の【実践編】です。

結論から考える【論理的思考の第一歩】

物事を結論(ゴール)から考えてみましょう。
会話なら結論をはじめに話し、文章なら結論をはじめに持ってきます。

結論を頭に持ってくると、聞き手や読み手に、まず何が言いたいかまずはっきり伝えられます。
さらに、目的(スタート)と結論がはじめに決まっているので、その間の筋道を立てやすくなります。

この方法は恐らく誰もがよく聞く論理的思考の実践法だと思いますが、
この方法は簡単に実践しやすいこととと、実践の効果も高いことから論理的思考の基本として実践したい方法ですね。

ですが、目的があって、結論を決めて、その筋道をつければ論理的思考というのは、ちょっと違います。

論理的思考では、結論までの最適な筋道を得るために、目的を起点として、思考してあらゆる要素を網羅的に書き出して、結論を導き出すことが大切です。
この『思考の網羅化』に便利なのが次の項目で説明する『ロジックツリー』です。詳しくは後述しますが、ツリーを描いて思考の全体像を見える化することで、そこから状況に見合った仮説を立てて(筋道を選んで)結論を出す事ができます。

ロジックツリーを書く【論理的思考の基本になる】

ロジックツリーでは、目的を起点として、そこからどんどん考えられる要素に思考を分岐してツリーのように書き出します。

こうすると目的を網羅的に明示化することができ、頭の中では整理できなかった内容が目で見て分かりやすく、目的に対する思考の全体像を見渡せるようになります。

▲ロジックツリーの例

出来上がったロジックツリーで思考の全体像を確認しつつ、そこから仮説としてひとつの結論に至れば、それは立派な論理的思考による結論です。

なお、ロジックツリーのスタートとなる目的には、Why(なぜ?)、How(どんな手段で?)、What(何?)の3つの種類があります。
(ツリーは目的ごとにひとつずつ作ってください。)

それぞれ具体的には、以下の通りです。

  • Why(なぜ?)なら『なぜ体重が落ちないの?』
  • How(どんな手段で?)なら『どんな手段でこのブログへの集客を増やすの?』
  • What(何?)なら『ゲームの種類って何がある?』

そしてツリーを伸ばして行く際は、なぜ?のツリーなら、なぜ?なぜ?なぜ?、何がある?のツリーなら、何がある?何がある?何がある?とツリーの種類に合わせた問いかけのみで、枝を伸ばして(階層化していって)ください!

階層や項目ごとの分岐をどれくらいにするべき?って疑問が出てくるかもしれませんが、はじめはとりあえず完成を目指してもらいたいので最低限で良いと思います。項目ごとの分岐は2つでもいいし、階層も4階層、それが無理なら3階層でもOKです。

ロジックツリーが完成したら、そこから全体を見て仮説を立てながら筋道をつけて結論を出しましょう。結論を出したらツリーを見直してその筋道を選んだ理由を考えれば、根拠が出てくると思います。そうすると説得力のある結論ができているはずですよ。

先程出した図は、例として僕がやってみたロジックツリーです(単純な例です)。

ニューヨーク旅行の際にどんな交通手段で市内に出る?を目的(問題)として作成しました。この場合のツリーの種別は How(どんな手段で?)です。なので、常に、どんな手段で?を自問してツリーを作成しました。

このツリーでは3階層で結論に至りました。

空港から市内までどうやって出る?というか目的から導き出した結論は、エアトレイン+LIRRでした。(結論を先に言う。)

結論に至った理由(根拠)は、以下の通りです。

  • エアトレイン+LIRRがもっともコスパがよかったから。(筋道全体からの根拠)
  • タクシーかバスか電車かの検討段階において、タクシーはコストが高すぎたし、バスは慣れていないと白タクに乗せらる危険性があるようだったので、電車を選んだ。(2階層目からの根拠)
  • 電車での移動に絞ったところで、エアトレイン利用後に地下鉄に乗り換える方法と、LIRRという高速鉄道を利用する方法で検討した結果、地下鉄の利用では料金は安いものの、市内に行くまでに時間がかかったり、乗り場や行き先の方向を気にしたり、荷物の多さも加味して、エアトレイン+LIRRを選んだ。(3階層目からの根拠)

単純な3階層ツリーですが、結論に至った理由を3つ導き出すことができました。

なお、根拠の数は3~5を目指しましょう。

理由は、根拠の数が多すぎると聞き手(読み手)に思考が整理されていないのではないかと思われるのと、単純に聞き手(読み手)が大変だということ。

根拠の数が少なすぎても説得力にかけるので、ほどほどの数がベストです。
なお、多い少ないに関する基準は、人間の思考のキャパシティから来ています。

階層ごとの要素のテイストは合わしましょう。この例でいうと、2階層目のタクシー、の階層に、シャトルバスが来たりしないように意識します。

出来上がったロジックツリーをベースに筋道立てて結論まで考える場合、スタート地点の階層を除く結論に至るまでの各階層において、最低でもひとつの根拠が出てきます。(階層ごとに、選択肢のなかから1つの要素を選ぶという判断が発生するので)

たとえば例のように3階層のツリーを完成した場合、筋道の階層で1つ、結論の階層で1つとの判断が入るので、結論に至る根拠としては、筋道と結論の階層を合わせて最低でも2つの根拠は出せます。

理想的なロジックツリーの作成についてはできるだけ要素を漏れなく網羅化するだとか重複しないだとかルールがありますが、初めから完璧を目指すとハードルが上がりまくって論理的思考が苦手な人は萎えてやる気が失せます。とりあえずはじめはツリーを完成させることに注力し、あとは場数を踏んで論理的思考の精度を上げていくのがいいのかなと個人的には思います。
ロジックツリーの作成に少し慣れてきたら階層を深くしたり、分岐を増やすことも少し意識してください。ツリーが大きく深いほど論理的思考の信憑性が上がります。
ツリー作成にあたっては階層や分岐が増えてくると、単純に作成が大変で挫折しそうになるかもしれません。
面倒な場合は、結論に至りそうな内容とは明らかにかけ離れているであろうと思われる要素は、それ以上掘り下げなくても良いです。

前述の一般的な人間のキャパや感覚から考えて、ロジックツリーにおける要素からの枝分かれさせる枝の数も3~5と意識すると、自分にも読み手にも分かりやすいロジックツリーになるかもしれません。

なので、たとえば要素からの枝分かれが10ほど出そうな場合、いきなり細分化し過ぎてないか、グループ化して細分化の段階を踏めないか、考えてみるのもいいかもしれません。

ロジックツリー作成のルールでは厳密に言えば、漏れなく要素を出して、要素の重複がないことを意識するなど注意点があります。

ですがまずは同じような内容を入れないことを意識する、くらいにして、とりあえず、ツリーをどんどん伸ばしていかことが重要と思います。
繰り返せば慣れるはずです。

これ以上深掘りして説明はしません。

深掘りをやめているのは、内容が難解になり、僕のキャパシティを超えてしまうからです。
(本記事では僕の挫折直前までの範囲で論理的思考の学ぶことをテーマにしています。)

さらに深掘りしても問題なさそうな方は、以下のページを参考にしてみてください。

↓ロジックツリー作成全般の深掘り

↓ロジックツリー作成時の要素に関する深掘り

以上です。

論理的思考の学習を通じて感じたこと

論理的思考の自己学習を通じてとにかく思ったのは、、、、そう、大きくは2つ!

とにかくめんどくさそう!!
っていうかめんどくさい!!

ひとつめがこれ。
『論理的思考は、めんどくさい』

とくにロジックツリー。実際にやると実にめんどくさいです。
ですが、やって慣れるしかないです。

これこそが論理的思考なんですから。。

論理的思考を深掘りすると難解な言葉が出てくる
ロジックツリーを作るのも案外難しい

ふたつめがこれ。
『論理的思考は、難しい』

もちろん、ロジックツリーは難しいんですが、
難しさの種類にも大きく2種類があると思っていて、以下の通りです。

  • 単純に言葉や解説が難しい。
  • 奥が深過ぎてどこまで深掘りするかの線引きが難しい。

とくに2つ目。
どこまでやれば論理的思考が分かったことになるかが分からない。

分からないからといって手当たり次第に深掘りすると、
結果的に難解な言葉や表現がどんどんでてきてギブアップです。

上記が理由で、論理的思考が苦手な人が多く、
僕もずっと苦手としてきた理由なのかなと改めて気づきました。

なのでぶっちゃけ、この論理的思考シリーズの記事も、
お蔵入りにしようかとはじめ考えました。
というのも、今回も論理的思考を学びはじめて早々に挫折したからです。

ですが、公開することにした。
挫折してend ならこれまでと何も変わらないし、
一旦キャパ範囲でもいいから closeしたいという強い思いがあったからです。

で、どうしたかというと一旦学習を挫折以前の地点まで巻き戻しました。

挫折した以前の地点まで戻って、
自分が挫折という抜け出せない落とし穴に落っこちる手前までを学習範囲とすることで、自分なりの論理的思考の学習の完結を目指しました。

座学として『論理的思考の意味と必要性』
実践として『はじめに結論を持っきて筋道を考えることの重要性』
『論理的思考のベースとなるロジックツリーの展開方法』

結果として上記の範囲のみを、自分なりに論理的思考の学習を完結しました。

ロジックツリーの学習においても、どこまでどんな風にツリーを作ればいいのかの線引きが難しく、挫折しかかりました。
なので今回の論理的思考の学習では、自分のキャパに合わせた学習範囲を設定することの大切さも学べた気がします。

論理的思考を本当に自分のものにするには?

ここまで、ぎりぎりで解説してきましたが、
書いておきながら、実際の習得としてまだまだだと思っています。

本当に習得するのにはどうすればいいんでしょう?

おそらく最も大切なのは【実践の継続】だと思っています。

つまりは今回でいえば【ロジックツリーの作成】ですね。
そして、これがいちばん大変かもしれません。
ですが本件に限らず、度々書いていますが
繰り返し取り組んで習慣化するしかないのかなと。

最後に、論理的思考ができるようになったら
説得力が増す以外にもこんなメリットがある!というのを書いておきます。

論理的思考ができると、こんな事ができるようになる!

  • 着実に成長できるようになります
  • 計画も立てられるようになります
  • 予定が狂っても修正できます

理由は以下の通り!

  • 着実に成長できるようになります。(目的達成のための筋道が出来上がっているから
  • 計画も立てられます。(ロジックツリーによって筋道が明示化されているのでそれをスケジュール配分すればいいだけだから
  • 予定が狂った場合でも修正もしやすくなります。(ロジックツリーによって思考が網羅化されているから、ツリーを見ながら別のルートを考えれば良い

おしまいに

論理的思考について人生においてここまで時間をかけて考えたことははじめてです。
今回、形はどうあれ自己学習の結果を記事化できたことは本当に良かったと思っています。

僕の場合、論理的思考が苦手なまま直感的思考で生きてきたので、とくにビジネスにおいては、長い間苦労してきたというのが正直なところです。

はじめからここまで読んでもらっていれば、僕が苦労してきた理由について想像できるかと思いますが、『論理的思考が身についていないので、自分の考えを人に納得できるよううまく説明できないから』です。

世の中には論理的思考が普通に出来る優秀なかたも多いと思いますが、僕みたいに苦手な人も多くいると思っています。
そんな方のためにも、論理的思考を習得して少しでも苦労が少なくなるよう、本記事シリーズを頑張って書きました。

とにかく論理的思考ができるようになると全てがハッピーです。きっと。

それは自身が着実に歩んでいけるようになるからに他なりません。
ぜひとも実践を継続してみてください!

以上です。
最後まで読んで頂きありがとうございました。

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